「妖精って嘘つきじゃない?

童話では全部そうよね」


ヴァネッサはキミに

聞こえるように大きな声で

言うが、まだ喧嘩している

二人には聞こえていない。


「私は信じる心をなくしたから

はっきり言って、この話を

全部信じていないけれど

魔力を感じるし、現に人々は

石になってるし

一人で生きていても

この状況がよくなるわけでも

ないから一緒に旅をしてるの」

フランは言ってため息をついた。


覚悟はしていたが、

この先信頼しなければならない

仲間が増えた事に

憂鬱な気分になる。


「そう。ま、でもなんだか

物語の主人公になった気分

だから、しばらくあたしも

仲間になってあげるわ。

曲も浮かびそうだし

楽しめそうね」


ヴァネッサは一人の生活に

限界を感じていたため

多少喜んで言う。