「なんだよ、いるじゃん。」

シュウがニカッと笑みを向けた方向から、白地に紺色の模様がついた大きな帽子と、帽子と同じ模様のワンピースを着た美しい女性が現れた。

こいつがカリザだ。



手には開かれた本とお酒。

本に目を向けたままカリザがやって来た。



「そりゃ、いるさ。あんたらが来るってんで、あたしゃ朝から待ってたんだよ。」

お酒をゴクリと飲んで言った。


「客の前でその態度とは相変わらずだね。」

オレがそう言うとカリザがジロッとオレを見た。けれどまた本に目を戻す。


「何が客だ、バカモノ。いっちょ前に偉そうに。」

フンと鼻を鳴らしながらオレたちの前を通り、壁に向かって設置された机の上に本を置いた。


「で、そこの見たことないコ達は?」

本のページをペラペラめくりながらカリザは言う。


「新しい仲間だよ。アイビィとアユサだ。」

オレがそう言うとアイビィが「よろしくお願いします」と頭を下げた。

アユサは特に何も言わず軽く頭を下げる。



「ふぅ〜ん。仲間ね〜…。」

と、カリザは対して興味がないようだった。



「あのさ、今日は頼みがあって来たんだ。」

シュウがカリザの方へ足を進めた。

すると、カリザはそれを制するように掌をこちらに向けた。



「ストップ。それ以上こっち来るな。」

「おっと、悪い。」

とシュウは立ち止まった。


「何だ?また新しい魔法陣か何かか?」

「まぁ、そんなもんだ。」


詳しいことは話す気がないようでそれ以上は何も言わず、カリザはまたお酒をクビッと飲んだ。


しかしそれが最後の一口だったらしく、舌打ちをしつつ空になった瓶を机に置いた。



「また傷を治して欲しいんだろ。」

「ああ。」


カリザがぽつりとそう言った。それに対しシュウが頷く。



まだ何も話してはいないのだが、カリザには全てがお見通しなのだ。

まあ、いつものことだ。



「そして、また金がない上に4人か…。ったく面倒な…。」

と今度はオレたち4人を一人ずつ見つめた。