女はただ黙って俯く男の様子を見ていたが、男が何の反応を見せないことにハァと小さくため息をついた。


「…もぅ、こういうことはいつも私に任せるんだから…。」

と少し怒った様子で呟いた。そしてオレたち2人の顔をしっかりと見ながら口を開いた。



「今日会って、こんなことを言うのはあれなんだけど…。」

ゆっくりと話す女の言葉にオレは相槌を打ちながら聞いた。


「あなたを探し求めて今までずっと旅してきた。すごいあなたたち、敵のはずなのに喋りやすくて優しいから、ついつい私たちもそれに甘えてこんなとこにいるんだけど…。」

女はチラッと男の方を見た。そしてまたオレたちを真っすぐ見る。



「正直言って、あなたたちとここで別れたら他の賞金稼ぎに狙われることになるから、それを阻止したいし。…それに…私はあなたたちとそれとは別の意味で一緒に旅がしたい。」

女は言葉を選びながら自分の気持ちを話してくれた。


最後にはあの優しい笑顔でニコッと笑った。




「…そういう理由で一緒にいたいっていうのは、ダメかしら…?」

オレたちが黙っていることに女は心配になってきたように眉を寄せた。



「いや…。」

オレはシュウと目を合わせ頷きながら


「別に理由なんて何でもいいよ。オレも一緒に旅がしたいと思ってたし。」

「…ホントに?」


オレも女と同じように笑い返しながら言うと、女は嬉しそうに笑った。



「オレはサキが良いっていうなら、どっちでもいいぜ〜。」

と、男のいるベッドからよろよろと立ち上がるとすぐ隣のベッドに潜りこんだ。


「オレ今、超眠い。ま、明日からよろしくってことで。」

左手をビシッと上げるとそのまま布団を頭まで引き上げてしまった。


「え…いいのかしら…?」

シュウの行動に戸惑いながら女はオレを見た。


「ああ、いいよ。こいつっていつもこんな感じだから。ホント、困るよな?」

とオレが言うと、それを聞いていたのかシュウが布団の中から

「何が困るって〜?」

と言った。



「うるさいな〜早く寝ろよ。」

とオレがシュウの頭を叩くと、女が楽しそうに笑った。