世界征服のために、

オレはこの世に生まれたというのか?



そんな馬鹿な話があるか?そんな欲望のために。

くだらない。



世界を思いのまま操ることのどこに魅力を感じるのかオレには理解出来ない。



オレの中では怒りと呆れで溢れかえっていた。



だってそうだろ?

世界をとりたい、という気持ちは全くもって理解も賛同も出来ないが、それをしたけりゃ自分の力でやればいいじゃないか!


鬼という強大な力に頼らなければ実現出来ないなんて阿呆すぎる。


オレは呆れ過ぎて思わず笑ってしまった。




「サキ。」

ふとシュウがオレを呼んだ。


「何?」

オレは我に返り、シュウを見た。

するとシュウを含めた3人は顔を強張らせてオレを見つめていた。



「お前の気持ちは分かるけどな、あんまり怒りの感情を出さないでくれ。」

「は?」

何言ってるんだ?


「お前の腕輪が制御不安定な状態でお前の気持ちが乱れると、…その、お前の中の鬼が出てくるかもしれないからさ。」

「…今、少しだけど、さっき戦った時のあなたの殺気を感じたの。」


さっき戦った時…それは草原で鬼の力を解放した時のことだろう。



そうか…。オレの気持ちの状態で鬼になってしまうかもしれないんだ。



こんな話をされたら、誰だって気が動転するだろう。

でもオレの場合は腕輪のこともあるから、気を落ち着かせなきゃいけない。




落ち着け。

オレ。



オレは目を閉じ、自分に言い聞かせるように何度も心の中で呟いた。