「ええ、何を聞きたい?私は組織の人間といっても雇われただけだから、詳しくは知らないわ。」
それでもいいなら…。
女はそう言いオレの方に体を向け座り直した。
オレは真っすぐ女を見た。
「じゃあ…、何でオレは、…何の為にオレは造られたんだ?」
オレの1番気になっていることだ…。
あの雨の日に黒いコート姿の集団に殺されたじいちゃん。
何故殺されたのかを知りたいが為に旅に出たけど、今聞いた話からすると、オレが原因ということも考えられる。
だから何故オレは生まれたのかを知りたい。
何のためにこの世に鬼を造る必要があったのか…。
オレはその事を伝えると、女はふぅ、とため息をついた。
「そうよね。あなたにとってはそれが1番気になるわよね。」
女は少し躊躇った様子だったが、オレの気迫に観念したのか、ゆっくりと口を開いた。
「私たちが組織に行き、聞いた話によるとあなたを使って世界をとろうとしていたみたい。」
女の言葉にオレは目を見開いた。
「…何だって…?」
「…いわゆる世界征服ってやつだ。」
驚くオレの言葉に被さるように、いつの間にか意識を取り戻した男が言った。
「何だ、気づいたのか?」
男が横たわるベッドの端に座っていたシュウが、男の顔を覗きこんだ。
「…ああ、たった今な…。…ったく…。」
と男は体を起こした。
何だかぼやいているようだが、それはきっと鬼となったサキに自分が倒されたことに対する悔やみだろう。
シュウはそんなことを考えながら、起き上がる男に手を貸した。
「話の途中だったな…。」
まだどこか痛むのだろう、顔を苦痛に歪めながら男は言った。
「そのお前たちのいう黒い組織は世界征服のためにお前を造りだしたんだよ。」
語尾を強め、繰り返し男は言った。
それが真実であることをオレたちに伝えるように…。

