今度はシュウから攻撃をしかけた。



拳を構えながら男の方へ走りだす。

それを見て男も身構える。



シュウは男のように素早く背後に回ろうとはせず、構えた拳を男に向かって突き出した。


「何だ、ただ適当に殴りかかるだけか。そんなものがオレに当たると思うか」

男は後ろに下がってシュウの攻撃を交わした。



それを見てシュウがニヤリと笑う。

「ここからだ」


シュウがそう言うと、拳に触れていないはずの男の体が後ろへ勢いよく弾き飛ばされた。


「…く…っ!」

男は地面に叩きつけられる前に地面に当てた右手を捻って体勢を整えた。


それを見て満足そうな表情のシュウ。



「じいちゃん直伝の技だ。相手に触れてもいないのにその衝撃が相手に伝わるんだ」

「……」



シュウは尊敬する祖父の技が男に通用したことが誇らしかった。


けれど、シュウはこんなに早く祖父の技を出すつもりはなかった。

それは、己の力で男に勝つ自信があったからだ。


祖父の技に頼らねばならないということは、自分の力が相手には及ばないことを意味する。



それがシュウは悔しかった。

けれど今はそれを気にしている余裕はない。


集中しなくては。




男は立ち上がりペッと血を吐き出した。鋭い眼差しはシュウを捕らえたままだ。




「どうだ!これじゃ交わしても意味ねぇな!」

シュウは楽しげに言いながら、また男の方に走り寄った。