広い草原の真ん中でオレとアイビィはゆっくりと位置を変えながら、相手の様子を探る。




アイビィは風を使う能力だ。


どんな攻撃をするかは分からないけど、遠くにいても、近くにいても、どこにでも存在する風を使って何かしら攻撃は出来るはずだ。

だから、こう距離をとって相手の出方を探っているわけだ。




アイビィはというと、まるで獲物を狙う猛獣のような目付きで油断はしていないようだが、どこか楽しそうだ。



「ま、こうしててもキリないし、ここはレディファーストということで私からいきましょうか?」

アイビィはニコリと笑いながら言った。


普通、"レディファースト"という言葉は、男が女の為に使うもので、女からは使わないものだと思っていた。

しかも、意味的にも何か違う感じがするし…。



ま、言葉の使い方なんて今は別にどうでもいいわけで…。

向こうが先に動いてくれるわけだから、こっちとしてもどういう攻撃で来るか分からない状態だから、ありがたい。




「じゃ、行くわよ。」

アイビィはそう言った。



しかし、その瞬間、オレの視界からアイビィは消えた。







そして、真後ろに彼女の殺気が感じたかと思えば、


「遅い。」



その言葉が耳を通り抜け脳を刺激した時には、オレの体は地面に倒されていた。