見当違いな気もするし、あながち間違ってもいない気もする。 でもとにかくそのアドバイスが嬉しくて、あたしはようやく笑顔になれた。 「ありがと、時任君」 「……あぁ」 顔を赤くしてそっぽを向く。そして頭を抱えてぐしゃぐしゃっとした。 ちょっとちょっと、ワックスで丹念にセットされた髪が台無しだよ、時任君。