最低王子と小悪魔女


 ――こうして、ヤキモキ焼きの魔女が無自覚にかけた、最低王子になる魔法は無事解かれましたとさ。

 めでたし、めでたし。



 でも、魔法もそう悪くないもんだ、と王子様は思っているご様子。さすがのM体質は、これしきのことでめげたりしないみたいです。
 むしろ自分に都合良く使おうとする辺り、策士っぷりがうかがえますね。



 自分の生涯にたったひとり現れるお姫様の正体が魔女でも、王子様はずっとずっと大好きで。
 悪い魔法をかけられてもまだ好きで。それってどんだけ忠実な犬なんだよっていう話。

 そんな10年の果てに、お姫様は自分を好きになってくれたから、きっと王子様は幸せなのでしょう。

 そしてそれが、なによりなのでしょう。