カメラ映えしそうなスタイルと小顔。アイドル顔負けの笑顔で朝の挨拶を安く振りまいてる、ヤツと他人だと言えたらどんなにいいか。 「波月! おはよー」 校門前であたしの姿を見つけるなり、ご主人様にすり寄る子犬よろしく一直線にやってくる慎吾。低血圧のあたしには、そのスマイルはまぶしいんだってば。 「おはよう」 ひっくい声で応じる。毎日のことなので、慎吾は馴れた風に背中を叩いた。