「あ、ご……ごめん」 「いーって。気にすんな。 ほら、また暗い顔をする! 笑え笑えー!」 ああ、時任君ってすごいな。 あたしとも、慎吾とも大違いだ。 あたしはこの前向きさや明るさを見習わなきゃだし、慎吾はこの誠実さのカケラでも持って欲しいもんである。 「で、あれから一緒に帰って矢柴と仲直りしたか? 昨日の朝、喧嘩したっぽかっただろ?」