「おーす。朝から暗い顔してんなよな、黒木!」 教室に入った途端、お隣さんがやけに明るく手を上げてみせた。 それは昨日、超絶気まずく別れた張本人で、あたしの本日一番の悩みの種になる……はずだった人である。 なのに、その元気どこから生えてくるんだ? って聞きたくなるくらいのハイテンション。 逆に怖いよ、時任君。むしろ嵐の前の静けさかと疑いたくもなるってもんだよ。