「嫌うなんて……そんな」 「そうだよな。君はそーいう子じゃない」 コートの中と外。シューターの入れ替わりの時、ふたりが言葉を交わすこともない。 目を合わせることだって。 ただ、すれ違うふたりの間に、ぎすぎすとしたものがあるだけ。見ているだけでも伝わってくるほどに。 「自分を責めてるって感じかな」 「……」 ――慎吾のあんな顔を、あたしは初めて見た。