最低王子と小悪魔女


 で、ちょびっとばかし寂しい気もしたけど、そんな感情はすぐに忘れた。第一、毎日といっていいほど、奴はうちの教室に遊びに来てるんだから。
 それは今になっても、だけど。



 それからしばらくして、慎吾のクラスメイトだというバイト仲間――といってもあたしとは親しいわけじゃなかった――がやけに嬉しそうにあたしに話しかけてくる。

 『最近慎吾君と仲がいいんだよねー』なんて。