天神学園高等部の奇怪な面々Ⅷ

タランチュラをポイと茂みの方へと投げ捨てる出麼。

「い、出麼さぁあぁんっ!」

余程怖かったのか、雛菊は涙目で出麼に抱きつく。

(あ…いいな…本当は僕があのポジションだったのに…)

密かにガッカリする秋帆。

そんな秋帆も羨むポジションだというのに。

「邪魔」

「あんっ」

出麼は雛菊をあっさり引っぺがした。

「何しに来た、ゆとりども」

「ゆとりて!」

ガビン!という効果音のつきそうな表情で八鶴がツッコむ。

「私達、出麼さんが心配で追いかけてきたんだよぉ!」

ワタワタと手を振りながら雛菊が言った。

「心配…?」

小首を傾げる出麼。

「心配要らない。私サバイバル慣れてる」