三人で話しながら土産物を見て回っていると。

「お?」

八鶴が声を上げる。

大蛇を体に巻きつかせた少女がショッピングセンターから出て行くのが見えた。

「あれ、出麼さんじゃん」

雛菊が言う。

彼女もまたイリアにご執心だから、きっと月やイリアと一緒にいるとばかり思っていたのだが。

「どこ行くねやろ?昼食までナンボも時間あらへんのに」

首を傾げる八鶴。

「あの方向に進むと、首都のムカッチャスチャラカから出てしまいますね…首都の外は広大なジャングルが広がっているだけで、何もありませんが…」

事前にムカッチャパピリアの周辺地図を熟読して、地理を頭に叩き込んでいた秋帆が言った。