とある霊能力者の仕事

「ああ、そりゃそうだね」

すると母はあっさりと肯定しました。

「いくら何でも取り付いた人間一人分だけでは、補えないでしょう。そこは多分、別んとこから調達してくるだろうよ」

「調達ってまさかっ…!」

母はスっと目を細め、低い声で呟きました。

「そのコ、自分の親戚や近しい人達の死期がわかるんだろう?」

「っ!?」

あまりの言葉に、息を飲みます。

「でもっ、そんな…。まさかっ…!」

言葉を失いかけているわたしを、母は冷静な目で見ています。

「―まっ、現代でもそういうのはいるってことさ。念を押すけど、くれぐれも自ら関わることはしなさんな。相談されたら、せいぜい大人しくさせる方法を教えてやればいい」