とある霊能力者の仕事

「いえいえ。『本物』の霊能力者と話ができて、楽しかったわ」

彼女は笑顔で手を振り、見送ってくれました。

下の階に降りて、わたしは彼女のお姉様に今後のことを説明しました。

とりあえず身を守る為に水晶の数珠ブレスレットを渡し、家の中にも結界を張ります。

そして後日、肝試しを行なったメンバー全員と会って、墓場へ行くというところで話を終えました。

家を出る時、わたしはもう一度振り返ります。

彼女の部屋の辺りを見ると、そこから何かが溢れ出しています。

その『何か』とはハッキリとは言えませんが……ふと彼女の言葉を思い出します。

あんな暗く重いモノを背負っている彼女が『ある』ことを。

それは―覚悟。