とある霊能力者の仕事

手を横に振りながら、彼女は失笑しました。

「あんなのを身に付けているとね、時々そういう力が現れるだけ。でも自分自身でコントロールできるワケじゃないから、厄介なのよね」

言わば昔のテレビみたいなものだ、と彼女は言いました。

電波が良い時は調子が良く力が使え、しかしほとんど電波状況は悪いみたいです。

「でも…貴方なら、お姉様を心霊現象から守ることができたんじゃないの?」

僅かに眉をひそめながら尋ねると、彼女はニッと笑いました。

それはまるで、イタズラがバレた時の子供のような無邪気さと、恐ろしさを兼ねた笑顔です。

「私は身内だからって、甘やかさない主義なの。それにさっきも言ったけど、上手くコントロールできないからね」