とある霊能力者の仕事

「そう言えばお母様やお姉様には何もいないようね」

「ああ…。アレはどうやら人を選ぶみたいだからね」

「選ぶ?」

「そっ。自分を必要とするモノを」

つまり彼女は必要としている、という意味ですか。

「だから姉は平気で墓場に行ける。私はダメね。まあお盆とかお彼岸はしょーがないと思って行っているけど」

そう言って彼女は肩を竦めました。

多分、彼女の中のモノが、激しく反応するのでしょう。

昔の呪術の一つには、人の屍を使ったものがあるようですし。

「お姉様から貴方には先読みの力があると聞いたのだけど…」

「そこまで大したモノじゃない。ただちょっと先が見える時があるだけよ」