とある霊能力者の仕事

「あるって、何が?」

―そこで彼女が微笑んで言った言葉に、わたしは目を見開き、言葉を失いました。

「……そう、なの」

「そっ。だからできればほっといて。何かあれば、相談するからさ」

ひょうひょうとする彼女は、確かに『ある』ようでした。

わたしは深く深く息を吐き、頷きます。

「分かったわ。それじゃあコレ、わたしの名刺。何かあったら、いつでも連絡して。夜中でも早朝でも構わないから」

「ありがと。へ~、事務所もあるんだ。遊びに行ってもいい?」

「いいわよ。貴方には教えておきたいこともあるしね」

「さーんきゅ。あっ、姉達のこと、よろしくね」

そこでふと気付いた疑問を、わたしは言ってみました。