とある霊能力者の仕事

…しかし部屋の扉の前で、立ち止まってしまいます。

何故ならこの扉は、結界。

神社にある鳥居と同じ雰囲気を感じ取りました。

でもこんなこと、霊能力者にもできないことです。

そう、一部の力の強い神職者ならば、個人的にも作り上げることは可能でしょうが…まだ高校生である女の子一人ができることではありません。

わたしは固唾を飲み込み、緊張で震える手を上げ、扉をノックしました。

「―さっきの霊能力者さん?」

返ってきた声に、心臓が嫌な音を響かせます。

「えっええ…。ちょっとお話があるんですけど、良いかしら?」

「どうぞ」

彼女はアッサリと承諾してくれました。

ドアノブを回して、わたしは彼女の部屋に入りました。