「来てくれたんだな!」

と、嬉しそうに綻びながら

花嫁と連れだって、俺の目の前に立つアイツ。


「当たり前だろ?。幼なじみが結婚するんだ、祝わないと。」


祝うなんて、これっぽっちも思っていない。

結婚式の招待状が来たんだ。

来ない訳にはいかないだろう?

本当、腹が立つ。





「あ、そちらにいるのが花嫁さん?」


緊張気味にアイツの横に立つ花嫁…訂正、邪魔者。


なんだよ、自分謙虚ですみたいなアピールかよ。





「お前に似合わないぐらい、美人じゃないか。」

(こんなブス、お前に似合わない。)


「幸せになれよ?」

(幸せになんかなるな。)


「コイツ、駄目なとこばっかだから…よろしく頼むね?」

(俺の方がお前より、コイツの事いっぱい知ってんだよ!)




形だけの祝福。

作り笑いを顔に貼付けて、心にもない言葉を作り出す。




本当、嫌気がさす。


アイツにも、花嫁にも、自分にも…。