【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~

その威圧感に、グラスの半分くらいまで一気に飲み込む。


仕事しなきゃ、仕事!!


教わったことを頭の中で思い出すが、テーブルは綺麗だし、お酒もたっぷり入っていてすることがない。


な、何か話さなきゃ。


話…話…。


焦れば焦るほど頭が真っ白になって、何を話せばいいのか分からなくなる。


そんな時、お客さんがコースターに置いたグラスが空になった。


グラスを手に取り、教えてもらった通りにお酒の濃さを聞く。


トングを持つ手が震えて上手く氷が掴めない。


それを見てお客さんが笑った。


うわっ、恥ずかしい!


「す、すみません、緊張して…」


「懐かしい、私も最初すごい緊張したな」


「ゆっくりでいいよ(笑)なつみなんか最初氷飛ばしたもんな」


「山田さん!!それもう何年も前なのにまだ言う!?」


なつみさんの私を見る目つきが少し柔らかくなったような気がした。