歩いて

「果菜?」



外で待っていた勇太が、私の目の前に立っていた。



「…あっ、ごめん」



「大丈夫?」



「うん。高校の友達に偶然会って」



「そう」



勇太に言えなかった。



直斗に会ったことを…。



勇太には心配をかけたくなかった。



やっと、私があのことを忘れたと思っているから。



でも、忘れたんじゃない。



忘れたふりをしている。



思い出したくないから。



「果菜、外に出ようか」



「うん…」