わたしは、渋々志月と離れて、さっき確認した席に着いた。 先生が入って来て、簡単な自己紹介をしてから、入学式に向かった。 ―――――――――…… 校長先生の長い話が終わり、再び教室へ。 「じゃあ、今日はこれで終わりです。起立、礼。」 「「「さよーなら。」」」 先生が号令をかけて、みんな席をたち始める。 ガタッ 「あ、すいません。」 立った拍子に、隣の人とぶつかった。 「こっちこそ。」 これが、隣の席の 中津憐也[ナカツレンヤ]との初めての会話だった。