別れの曲を君に(短編)


ふと気が付くと、誰かのお葬式で泣き崩れる自分の両親の姿が見えた。


涙をぼろぼろこばして、しゃくり上げている美智。


唇を噛んで、ただ黙って涙を流している、良平。


私は。


私は、あの時――。


「ごめん。ごめんな、綾……」


ピアノの音が止んで、良平の声だけが悲しく響いた。


そして最後に残されたのは、シンと静まり返った音楽室に響く、低い嗚咽。