別れの曲を君に(短編)


あの日、綾は図書当番で手間取り、1人で、夕闇に包まれた学校を出た。


急いでいた。


早く家に帰りたかった。


点滅を始めた、学校前の信号機。


綾は、渡ってしまおうと駆け出した。


右折してきた大きなトラック。


視界一杯に広がる、トラックのライト。


身体に突き抜けた衝撃――。


後は、何も感じなくなった。