別れの曲を君に(短編)


「君に、ずっと伝えたい事があったんだ……」


揺れる声音――。


『先生』の瞳に光るものを見つけて、綾は、息を呑んだ。


なぜ、泣くの?


「綾……」


名前を呼ばれるたび、心の奥にビクリと震えが走る。


何?


何を、言おうとしているの?


その言葉を聞きたいような、聞きたくないような、恐怖に似た感覚が綾を包んだ。