「ちま、ノートみせて」

「ちま、家庭科の授業で聞きたいのが」

「ちま相変わらずちびっこいな」

教室に入るなり色々な人に声をかけられ挨拶など用件を済ませていく

「ちまはさ、王子ばっかだけど
ちま自身も頭良いし、家庭科はトップだし
運動神経だって悪くはないのにドジだし
可愛い子モテ子の定義はゼンクリなのに」

「さっちゃん何か言った?」

「なんでもない」

何か言っていたようなのに

「ちまはさ、告白しないの?」

さっちゃんは真剣に聞いてきたから

「いつも大好きって言ったら『ありがとう』だけ

だからバスに一人で乗れたら『彼氏になって』って言う

振られても頑張る、けど好きな人がいたり彼女がいたら応援する」

さっちゃんは眉間に皴を寄せ

「ならさ、バスなら帰りに一人で乗って目標達成にしたら?」

…でもな、
「みー君が帰りは部活あるから一緒にって」

「あんたね、好きが無理なら
一旦引きなさい」

引くなんて無理だよ

「顔に出しすぎ、さっさと告白しな
彼女だっていつ出来るかわかんないしさ」

嫌なことばっかり思い付くから

「明日の朝いつもより早く出て一人でバスに乗る

無理だったら明日の放課後にする」

さっちゃんは微笑み
「今日じゃなく明日なの?」

「うん、私もまー君も今日は部活だから
明日はみー君だけだしね」

いざ決行だ