私御堂志真(ミドウシマ)には悩みがあります

<次は市役所前>バスのアナウンスを聞き降りようとするが

「降ります」
身長が小さいせいで前に進めない

「すいません、降りますから」
手を繋ぎ引っ張っ人混みから助けてくれる幼なじみ

「ちま、離れるなよな」

「ごめんなさい、助けてくれてありがとう

明日こそ一人で降りる」

幼なじみの彼を見上げる

「一人立ちしてみせる」

「話聞いていたか?」

彼とのやり取りはバスや、電車通学しだした中学生からずっとで…

「ちまは俺がいないとだめだな」

…ずっとそう言われてきた

きっと兄弟がいない彼は妹のように考えているに違いない