「あたしなんて…家に帰ればバカな母親に罵られて、夜も眠れないのにあんたはいいよね。なんで捨てられたくせにあんたの方が幸せなの。なんであたしは親がいるのに幸せじゃないの。ズルイズルイズルイ!」
鞄を投げつけたあたしを抱きしめ、直人は呟いた。
「…聖子ちゃんは偉いね。辛いのに一人で頑張ってきたんだね。」
「…あんたに何がわかるんだよ!」
突き飛ばそうともがいたけど、直人の力は強くて振りほどけない。
「何もわからないよ。だけど、これから知ることは出来る。」
「は?」
「僕と付き合って。聖子ちゃん。君の寂しいのは、僕が埋めてあげる。」



