「あ、ごめん」

 やってしまったと顔に出ている妹を軽く睨み、ため息を吐いた。

 「ゆう。あんたまた痩せた?ご飯食べなきゃダメじゃない」

 誘(ゆう)は生返事を残し、早足で家から出た。

 私の小言が長いのを知っているので、逃げたのだろう。

 伊達メガネを人差し指で上げ、私はリビングへ戻った。

 それほど広くも無い家だ。

 廊下を五歩程歩くと、リビングの扉にたどり着く。