そんな日々に疲れていたあたしに、直人が施設にこないかと誘ってくれた。 あの家に帰る時間が遅くなるのは、願ってもないチャンスだとあたしは頷いた。 直人が育った施設は、学校からそんなに遠くない。 大きな交差点を歩き、公園の前だ。 「我が家へようこそ」 そう言った直人には笑いがこみ上げてくる。 入って直ぐ、直人は大声で「ただいま」と言った。 小さな足音が何個も聞こえ、子供が集まる。