「お姉。出かけてくる。」

 17歳と言う多感な時期にいる妹は、玄関で叫んだ。

 「待ちなさい。何処に行くの?何時に帰る?誰と一緒?」

 口うるさく言うのは心配だからなのだが、この年の子にその手の心情は理解してもらえない。

 「図書館。夕方には帰る。友達と一緒。もーいい?」

 面倒だと顔に出ているが、妹は素直に答えてくれる。

 「まって。」

 扉を開けようと伸ばした手を取れば、手を振り払われた。