「うちの高校、武尊之から斡旋きてたじゃん。武尊之に就職した子多いよ」 「それより、絶対飲み会来てよね!」 「じゃあね! 淳一くん」 飲み会は行かねーけど…… 二人は、手を振りながら小走りで駅の方に向かった。 目の前には、紺色に白い文字で『武尊之銀行』と書かれた店舗がドンと構えていた。 「武尊之に就職した奴がいっぱい?」 俺は金融系は眼中なかったから、知らなかった。