「聞いてる…」
あぁ…
声が低くなる……
「あ?きげんわるい」
「ううん、バイトが忙しかったから
疲れてるだけー」
「ふーん。」
「悠夜はなにしてんの?」
「ん?別にー」
「ふーん。」
少し沈黙が流れたあと、
「お前っていつもどの電車使ってんの?」
いきなり突拍子のないことを
言われて、ポカンとしてしまう。
「電車?」
「そーだよ。自分の使ってる
電車もわかんねーのかよ、」
あ。今鼻で笑った……!!
「〇〇電車だけど…」
「そうか。」
また沈黙。
「俺のサークルの友達がな?」
悠夜が自分の大学の話をするのは
珍しいことだ。
「うん?」
「〇〇電車つかってんだけど、
なんか最近痴漢にあったみたいなんだよな。」
…………痴漢。
にあうということは
その友達は
女か…。
