(一) 「おはよー。」 「うわ。最悪。」 この日は何故か、早起きだった。 だから私が鴉孤を起こしに行ったんだ。 扉を開けると、白かったベッドは赤く変色していた。 言葉を失うよりも先に、涙が頬を伝った。 「…落ち着け鳴海。泣くな。これは…あれだ。」 私を慰めるために立ち上がった鴉孤の左腕を掴む。