「ちがッ」
長門の前で拒絶はいけない。長門は拒絶を心から好いているから。
「嘘吐きはいけない子だ。」
ニコリと笑う顔は鴉孤のものなのに、別の人格がすれば狂喜にも見える。
怖いと心から思った。逃げたいと、切に願った。
だけど、その行為全てが長門を喜ばせる。
長門に興味をもたれれば、壊れるまで玩具にされるのだと知っている。
長門は残酷で残忍。非道で心を無くした人格。
「今日は一緒に帰れる日。帰ろう。イザナ」
イザナは長門だけが呼ぶ私の名前。
誘うでイザナ。手を差し出され、拒めず手を取る。
長門は満足そうに笑うと、歩き出した。心底嬉しそうに。



