「鳴海、行くぞ。」
「あーい。お姉。行って来ます。」
「はいはい。いってらっしゃい。」
車に気をつけるのよーと言われ、小学生かと突っ込みたくなるが、空が先を急かすので突っ込みは諦めた。
軽く小走りで前を行く空に連行され、私達はエスカレーター式のこの辺では有名な学校の校門を潜った。
生活指導の先生がいたが、なぜか無視され、らくらく校門を潜る。
「あー走ったー。」
「俺がな。お前は引っ張られてただけ。」
息の切れない空は私の額をデコピンした。
「あで。」
「今日は放課後一緒に帰れるぞ。何も無い。」
カウンセリングやら病院やらがあって忙しい空が、珍しく私のテンションを上げてくれた。



