「お邪魔しますぅ。」 「どうぞ。」 クッションを進めると、それを抱きかかえ里美さんは私を真っ直ぐ見た。 「お話してもいいかなぁ?」 「はぃ。」 私の返事など関係なく里美さんは話をするつもりで入ってきたのだろう。私の返答に笑って頷いた。 「里美ね。あーちゃんのこと大切よ。」 里美さんの言うあーちゃんとは鴉孤のあだ名である。里美さんはいきなりよくわからないことを言うので、私が首を傾げた。