「ただいま!あこは?!」 全力疾走で家に帰り、扉を開けた瞬間叫んだ。 家中に声は聞こえたと思う。 「おかえり誘(ゆう)ちゃん。鴉孤(あこ)君なら二階で寝てるよ。」 返事がないので廊下を走り、リビングの扉を開けた。 「…直人(なおと)さんただいま。寝てるって…あこ、具合悪いの?」 直人さんはお姉の夫だ。 ダブルメガネと呼びたいがそんなことをしようものならお姉に殴られてしまう。 穏やかな声の直人さんは、洗濯物の入った籠を運びながらニコやかに笑った。 「大丈夫。少し疲れてるだけだよ。」