ガバ!と二人に抱きつかれ…。





しょうがないなぁ…。よしよしと二人をなでる。




鷹に凄まれ小さくなる蝙蝠…。
素知らぬ顔でゴロゴロしている猫。






回りには司達。
寂しくはなかったのに…。
時々急に両親を思い出す。





仁は鋭くて…。





「夢子様…。湯あみの準備が出来ました。本日はローズでございます。」





「わかった。ありがとう。」






ゆっくり立ち上がりソファを後にする。





「おまえは化け猫と見回りに行け…。」





「えぇ~!わいも風呂へ…。」






ごごごごご…。
怒りのオーラが…。






「ハィぃ!わかった!」




「仕方ないですわね。いらっしゃいこっちから…。」





ペロリと舌を出すメイド。





その後を青ざめながらついていく、どっちかというとイケメンというよりは可愛い小さな見習い。




「わい食われるかも…。この猫ねーちゃん…。」




「こっちですわん!」
珍しく上機嫌なメイド。




見習いはとにかくついていく。






長い回廊をついていく。中も外も広い邸を一周。




だが着いた先は





「ここは?!」





がらりと引き戸を開ける。





湯気が立ち込める大きな湯船。





「銭湯か?!」





そのうち気配を感じてとっさに隠れる。





脱衣室に入って来たのは夢子。





「まずい…。ねーちゃん何処に行った。」






水の音が聞こえた。





「たく…。わいはなんもない。何もしてないからな。」






「きゃー!」





風呂から悲鳴!





振り返り走る。




ガラ!
「夢子どうし?!…。」





湯気が立ち込める中に二人の美女が抱きつかれて…。
いや猫耳の娘が抱きついている。






「わい…。わいは幸せ…。」





風呂にて流血事件…。