都内に異質な和モダンなちょっとレトロな洋館がある。





井川家。深夜2時ジャスト…。






「そこにいる人。そこは近づいてダメだよ…。」





虚ろな目の女性…。この世の物ではないオーラ。





井戸の力に引き寄せられた…。結界に侵入したみたい。






「ワタクシが気がつかないと思って!」






おーほほほほ!
と黒い影が目の前に三回転して着地。





「桜子…。登場が派手…。」





「お誉めに預かり光栄ですわ。」






虚ろな目が負のオーラを放つ。メイドは日本刀を何処からか取り出し一閃する。






放たれた風圧がこの世の物ではない者を切り裂いた。






「あ~あ…。また先を越されましたね。」






小さな少年…。手にはハーブティー。片目のモノクロが光。






「どうせ近くで見てたんでしょ?」






お茶をそそぎながら…。
「雑魚は猫の仕事…。夢子様の御手をわざわざ汚さなくても…。」






「何よ!この化け執事!」





夢子に抱きつくメイド…。





はぁ…。また始まった…。





「離れろ!夢子にさわるな!汚れる!」
モノクルがぎらりと光執事が豹変…。





バチバチとにらみ合い。



「お願いだから二人とも落ち着いて…。」





「「夢子は黙ってろ!」」





今日も邸は真夜中に騒がしくしていた。





神聖な井戸は結界の中で青白い光を放ち水面が揺れていた。





メイドと執事は朝方まで揉め…。夢子はハーブティーを飲み部屋に戻る。



主である彼女の元には沢山の結界作りのプロが常駐している。




井戸の矛と楯…。楯の力が覚醒してから夢子は夜な夜な井戸を守る。




寝不足は日常茶飯事。授業中寝てしまったことが何度か…。





守護霊にツッコミされ、先生にばれないように勉強するふりをする。