ピッコーン、ピッコーンと時計の中からハトが出てきた



目を向けると時間は8時を指していた



「ぐぅぅぅ」



前触れもなく、お腹が鳴り出す



確かに、家に帰ってからご飯を食べていなかった



お腹が減るはずだ…



「ぷっ、光お腹なってるよ?」



「わ、わかってるよ///!」



片手を口元に置いて笑う北条くん



何だか…私たちの距離はすごく縮んだような気がした



「北条くんこれからどうする?」



ソファから立ち上がって時計に指を差す



「ん?
あぁー、光の弟?はいつ頃帰ってくる?」



「えっ?
10時ぐらいって書いてあったけど…」



「そぅ、じゃぁ…
10時ぐらいまでいる!」


「えぇ!?」



「あれ、ダメ?」



「いや、ダメっていうか…!」



何か北条くん性格変わってない!?



積極的っていうか、何て言うか…


もしかして、これが素…?


北条くんもスクッと立ち上がり、時計の下に立っている私の前に立ち、片手を壁について、私に覆い被さるようにした



そして耳元で



「光のことが心配だから、1人にはさせたくない」



と、いつの日かの日向くんみたいに、甘い、優しい声で言ってきた



その行動と声に、ドキッと心臓が波打ってしまう



ヤバい…



北条くんってこんな人だったっけ?



すごく体が熱い…!