あぁ〜、そのことか…
今一番聞きたくないことを何で話し出すんだろ…
「知ってる」
戸惑っている二人に、奈緒は即答に真顔で答えた
「わたしも知ってる〜」
後ろから花も奈緒の言葉を同様に言った
二人を見ると、『何で知ってるの!?』と、言わんばかりに驚いた表情をしていた
女の子二人は北条くんの方を向いて、目で
『あなたは知らないわよね!?』
と問いかけていた
…ように見えた
「ついでに北条くんも知ってるわ」
二人の目線と思っていることを察したのか、奈緒が人差し指で北条くんを指しながら平然とした顔で言う
「…何よ、じゃぁあたしたちが言わなくてもわかってたんじゃない…」
「まさかそんな話だとは思わなかっただけ
で、何?
そんなことでギャァギャァ騒いで光をラチッてたの…?」
「ラチッてないし!」
「どーでもいいわ
どうせ、それを見て光と日向くんが別れたのか確かめようとしてここで話てたんでしょ?」
全て見透かされているようで、二人の肩はビクンッと一瞬高なった
「でも残念!
光と日向くんはまだ別れてないよ〜だ!」
意地悪く言う花は、あっかんべーと舌を出しながらニヤリと笑っている
「悪いが、その情報はもう知ってるんだ
用がすんだならさっさと教室に戻れよ」
キッと北条くんは二人を睨む
「ふ、ふんっ!
そんなこと言われなくったって帰るわよ!」
ズンズンとポニーテールの子は堂々と進んで、奈緒たちの方を通り過ぎようとしていく
ストレートの子は、そんなポニーテールの子を急いで追いかけて行ってしまった