そんな二人を見ながら、私は一番大事な事を言うのを忘れていた



「奈緒、花」



二人の名前を呼んでこっちに集中させる



「え〜と、心配してくれてありがとう」



照れくさそうに笑顔で言うと



奈緒も花も、ちょっと顔が赤くなりながら、笑顔になった



そんな様子をニコニコ見ながら、もう一つ言うことを忘れていた



「あ、あと、私がちょっと危なくなった時に、助けに来てくれたのが、北条くんなんだよ!」



と、ニッコリ言うと、さっきまで笑顔だった二人は、唖然とした顔をしていた



「え、うそ…
北条くんって、あの北条くん…?」



最初に聞いて来たのは奈緒だった



「え、うん、そうだよ。
それがどうかした?」



まさかこんなことを聞かれるとは思っていなかった



「どうしてって…」



奈緒と花はお互い顔を見合わせて、難しそうな顔をした



「光、北条くんってあんまり女子としゃべらないのよ?
それに、女の子には興味なさそうだし…」



腕組みをして困った顔をする花



「だから、北条くんが光を助けたってことがあたしたちには驚きなんだよ…」



奈緒をも困った顔をしてうつ向く



つまり、女子に興味なさそうな北条くんが、私を助けたということが二人とも半信半疑らしい