【光】
北条くんと店の外の影に入って人がすくなるのを待っていた
が、昼間となると一向に人は減らない…
反対にますます増えているような気がした
「参ったな…
これじゃ身動きがとれない…」
「そうだね…
どうする?」
「う〜ん…」
唸る北条くん
するともうひとつ違う音が聞こえた
「ぐ〜〜」
「……」
隣から聞こえたから私じゃない
とすると…
「北条くん、お腹すいた?」
「いや、空いて…」
「ぐ〜〜」
赤くなる顔をパッと反らす
お腹は正直のようだ…
「ハハ、じゃぁどっか食べに入ろうか!」
笑ってどこかお店を見つけるため、また人混みの中に入った
「ちょっ!
待って光!!」
グイッと後ろから腕を引っ張られてカクンとバランスを崩す
「たくっ…
一人で歩いたら危ないだろ?」
肩を掴まれ支えてもらっている体勢から私の体をゆっくり起こして、手をキュッと握った
「手繋いどかないと危ないだろ?」
笑って言う北条くんに私はドキッとしてしまった
このままいくと、私は北条くんを好きになるかもしれない…



