夜が明けた。 私の体に侵入した蔦のお陰で、空腹感も渇きもない。 ただ身動きが取れず、目の前の景色を眺めるしかなかった。 その時である。 獣の唸り声が背後から聞こえた。 犬だ。 大きな黒い犬が一匹、私の周りを徘徊した。