【5】隣人の森

 それからは、季節の変わり目を楽しみ、鳥のさえずりを聞き、雨の日も風の日も、植物と同化した日々を送った。
 近くに咲いた花には蝶が舞い、やがて種子を飛ばした。

 染み渡る森の静寂の中で、純粋な幸せを感じた。

 自然と一体となった営みに、心が清められるような気がした。